原形をとどめていない世界のカバー曲集


世代、国境、ジャンルを越えて数多く存在するカバー曲。中にはやりすぎて原形をとどめていないものも。そのやりすぎ感がむしろ秀逸だったり、もはやネタにしかなってなかったりと様々な世界の面白カバー曲を、原曲と比較しながらご紹介します。

The Cardigans – Iron Man (Black Sabbath)

原曲

カバー


原曲はハードロックの歴史的最重要バンドBlack Sabbath。ヘビーで怪しさ満点の曲を見事なオシャレポップスに変換しています。日本でいうシブヤ系の元みたいなバンドだけに、そんな彼女らの色を前面に押し出したカバー。シンプルかつロックな展開をテンションコードを多用して落ち着いた雰囲気に。暗黒の夜会も昼下がりのカフェに変貌を遂げました。

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Dikembe – All I Want for Christmas (Mariah Carey)

原曲

カバー


日本人にも親しみのあるマライアキャリーのクリスマスソングをカバー。元々のバンドの色でもある切ないインディーロック・エモな雰囲気に仕上がっています。冒頭のメロディーを印象的なギターのアルペジオに変換したり、楽曲を自分たちなりにモノにしています。原曲は底抜けに明るいクリスマスって感じですが、こちらは静かなムードを感じます。この曲が収録されているコンピレーションは今が旬のUSインディーバンドがクリスマスの定番曲をそれぞれカバーしており、マニアックですが面白いクリスマスアルバムです。

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nhhmbase – Anarchy in the UK (Sex Pistols)

原曲

カバー

パンクロックの元祖Sex Pistolsの代表曲を独特の雰囲気でカバーしています。余計なものを削ぎ落としたシンプルでデッドなサウンドは、これはこれでパンクを感じます。意識したのか自然とこうなったのかは分かりませんが、原曲のノリは完全に無視したカバーで逆にかっこいいです。

NOFX – Straight Edge (Minor Threat)

原曲

カバー


こちらは日本でもファンの多いベテランメロディックパンクバンドがハードコアパンクのレジェンドの楽曲をカバー。ある意味同じ流れを汲んでいるし影響を受けたのは間違いないでしょう。肝心の内容はなぜかジャジーで夜のバーで流れてそうな仕上がり。なぜこんな風にしたのかはわかりませんがバンドのスタイル的に本気で笑いを取りに来たのかも知れません。サブカルチャーにまで発展した「ストレートエッジ」のシリアスな詞を優しい演奏に乗せてスローに歌い上げます。

Oozing Wound – Dammit (Blink-182)

原曲

カバー


メタル勢から嫌われがちなポップパンクバンドの雄Blink 182の曲をスラッシュメタル?風にカバー。嫌いなバンドの曲をあえてカバーしてみたネタという解釈で合ってますかね?とにかくネタとして理解しないと色々と物議を醸しそうな動画です。僕的には原曲も大好きです。

Rei Harakami – Owari No Kisetsu (細野晴臣)

原曲

カバー


生楽器のみのナチュラルな原曲と、デジタル全開のカバーとの対比が面白いこちらのケース。彼の特徴であるRolandの旧式音源CS-88 Proを駆使した独特の音色が何でもない日々を切り取ったような素朴な歌詞とやけにマッチしています。一方スタジオ版の原曲は色々な生楽器を取り入れており、メロディーの裏で賑やかに鳴っています。聴き比べると楽しいです。yanokamiとして「恋は桃色」で細野晴臣トリビュートにも参加しています。

向井秀徳 – CHE.R.RY (YUI)

原曲

カバー


同郷の後輩ミュージシャンでもあるYUIの曲を日本が誇る変態音楽家がカバー。動画を初めて見た時は笑ってしまいました。ナンバガ時代からピクシーズやフーなど自身が影響を受けたバンドのカバーを披露してきた向井氏ですが、これは明らかに異質で聴く側もどう受け取ったらいいのか最初は戸惑いました。ラジオでも歌っていたり、色々な場所でやっているらしいこのカバー。この曲が好きなのでしょうか。相変わらずコーラスの効いたジャキジャキギターがかっこいいです。

まとめ

カバーの中でも雰囲気がガラッと変わっているものを集めてみました。面白いものからかっこいいものまで色々ありますね。基本カバーというものはそこにリスペクトがあるものだと思うのですが、無さそうなのもちらほら…(笑)。何かの参考になれば幸いです。

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