主に邦楽ロック界隈で未だ続く4つ打ちブーム。いい加減似たような曲に飽きてきたと
いう方に、同じ4つ打ちでもいわゆるテンプレ的4つ打ちソングとは少し違ったおすすめの楽曲をご紹介します。
4つ打ちとは
そもそも「4つ打ち」とはどんなリズムなのか。ご存じない方のためにも本当に簡単な例を聴いていただきたいと思います。
定義としては1小節にバスドラムが4発、4分音符で入ることから”4つ”打ちと呼ばれているようです。更にその拍のウラにハイハットのオープンが入るというのが定石になっています。これを基本として、様々な4つ打ちを楽曲とともに見ていきましょう。
The Sea and Cake – Weekend
電子音と生楽器の融合が耳に心地いい楽曲。ダンスミュージックからのストレートな影響を感じつつも、ジョン・マッケンタイアのスキルの高いドラミングが機械的ではない人間らしいグルーブを生み出しています。テンションの高いノリノリの4つ打ちもいいですが、静かに盛り上がるこういうタイプの曲もいかがでしょうか。
JANK – Wut I Liek Abt U
リズムが目まぐるしく変わる元気な曲です。テクニカルな演奏が魅力のスリーピースバンドJANKの代表曲。曲中のリズムの一つとして4つ打ちが登場しますが、弦楽器などのパターンからセオリー的にあまり使われない部分で4つ打ちをあえて使っているのが逆に効果的になっています。
The Enemy – Technodanceaphobic
出始めの頃は勢いのあったバンドですが現状一発屋(一枚屋?)というイメージになってしまったThe Enemy。しかしあらためて聴くとソリッドなサウンドと馴染みの良いメロディーが万人に受けそうで何かもう一歩で爆発しそうな感じはあったんですが…。4つ打ちとしてはまさにダンスミュージック+ロックの典型的な使い方です。
LUNA SEA – LOVELESS
大ファンの友達からのすすめで最近初めてまともにLUNA SEAを聴いたのですが、これは紛れもない4つ打ちですよね。94年頃の曲だそうで、現在流行りのダンスを前面に押し出した4つ打ちビートとは若干雰囲気が違うにしても本格的に流行する以前から4つ打ちをロックで起用していたバンドを発見できただけでも聴いてみた甲斐がありました。
Bloc Party – Two More Years
ダンスミュージックをロックに落とし込むお手本のような曲が得意なバンドBloc Party。思えば現在の4つ打ちブームの火付け役の一つとも言えるバンドではないでしょうか。シンプルになりがちなリズムですが、デッドな音作りの中で手数の多いマット・トンのドラムが聴きどころです。
Foals – Cassius
10年近く前に彗星のごとく現れたマスロックやダンスの要素を含んだ面白いバンドから、トリッキーな4つ打ちソングのご紹介です。モデルも務めるイケメンドラマーのハイハットやタムを器用に駆使した独特の4つ打ちがかっこいい。バンド自体もこのファーストの路線でいってほしかったのですが次作以降は少し落ち着いて、ある意味独特の魅力がなくなってしまったのが惜しいです。
Broken Social Scene – Hotel
インストなども織り交ぜるポストロックバンドから静かでアーバンな雰囲気を感じさせる4つ打ちです。序盤はシンプルな8ビートですがだんだんとドラムが重ねられていき、4つ打ちと融合します。聴き終わった後に何か大人の階段を一つ上ったような気持ちになる怪しい楽曲。
Between the Trees – Story of a Boy
セクシーなボーカルと美メロで聴きやすいポップロック。サビで4つ打ちに変わり、効果的に楽曲を盛り上げています。こういった使い方はテンプレ的ではありますが、やはりハマるととてつもない破壊力になります。
From Indian Lakes – Ghost
シャレオツで都会的な演奏、落ち着いたファルセットをきかせるボーカルが反響を呼んでいる、新作アルバムも最高の今勢いのあるバンドです。こちらもトリッキーなリズムで翻弄しつつ、サビで4つ打ちになりリスナーを一気に引き込む考えられた構成になっています。
Thumpers – Galore
タムで16分でドコドコやってますがよく聴くと4つ打ちの条件に当てはまるリズムです。14年頃に登場しじわじわと話題になっているサブポップのインディーロックバンド。踊れるしオシャレだけど邦楽ロックバンドのありがちなダンスロックとは一線を画す不思議な楽曲です。
まとめ
「少し変わった」と言いつつほぼセオリー通りの4つ打ちをおすすめする記事になってしまった感はありますが、こういうパターンもあるんだという発見をしていただけたら幸いです。昨今の過剰な4つ打ちブームを受けてそれを批判する人がいたり、またその批判に対して意見するミュージシャンがいたりと何かと物議を醸していますが、純粋に音楽を楽しめたらと思います。
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