完全にコレクター商品です。去年10月に出たThe Smithsの名盤The Queen Is Deadのデラックスエディション。踊らされて買ってしまった感がありますが、買ってそのままだったものを最近じっくり聴いたので感想を書きます。
内容について
本編音源の2017年版リマスター、デモやBサイドなどレアトラック集、ボストンでの未発表ライブ音源、そしてハイレゾ版と、あとちょっとしたビデオが見れるDVD。以上がこのデラックスエディションの内容です。けっこう余計なものもありそうですが、特にライブ音源は期待していました。
リマスターの感想
まずは本編のリマスターを聴いてみます。他の企画でも何度かリマスターされており、今回が初めてのリマスターではないのであくまで最新の技術でやり直したもの、という価値です。元の音源ではちょっとボヤっとしていたリズム隊などが非常に分離良くはっきり聴き取れるようになっています。ベースのゴリゴリ感や、ドラムのバチバチ感が臨場感ありますね。ハイハットワーク等も繊細に聴き取れますが、このバンドのドラムはテクニックが売りなわけではなくシンプルなビートが多いので分かりにくいかも知れません。Cemetry Gatesとかでの16ビートの粒は綺麗で、アコギとの絡みが気持ちいいです。キラキラギターとリバーブの効いた伸びやかなボーカルはさらに魅力が増していて、おおむね満足です。これからQueen Is Deadを聴くときはこのバージョンで聴くことになりそうです。
デモ、Bサイド集の感想
B面の曲は大体他の音源で聴いたことのあるものばかりなので新鮮なものはありませんが、デモは聴いていて面白かったです。デモの時点で曲自体は既にかなり完成しているのですが、こっちの入りのほうが良いんじゃない?とか、ベースはこのフレーズの方がかっこよかったんじゃ?とか、いろんな感想が出てきました。スミス好きな人と一緒に聴いて色々意見を言い合いたい音源です。
ライブ音源について
未発表ライブ音源ということで、これをけっこう期待していました。1曲目、How Soon Is Now?のトレモロが効いたギターから始まり、全体的に出来のいいテイクのライブだったと思います。音のミックスに関しては、多分スミスのライブ音源の中で一番ドラムがデカいんじゃないかと思います。ここまでドラムが目立つスミスも珍しい気がしますね。でもこの年代のリバーブたっぷりのドラムの音はちょっと気持ち悪い気がして相変わらず苦手です。フィルインとかのダブルストロークの感じも聴き取れて、今まで気づかなかった部分にも注意が向きました。曲中いきなり奇声を発したり攻撃的にがなったりするモリッシー。久しぶりにスミスのライブを聴いたけどやっぱりずっとかっこいいです。
まとめ
ハイレゾ版はまだ聴いてないのと、DVDは正直無くても良かったくらいよく分からん内容だったのでレビューを端折ります。全体的には満足です。でもファン以外が無理して買うほどでもないかも知れないですね。スミス好きで未発表ライブ音源やデモ音源に興味がある方、最新の音でQueen Is Deadを聴いてみたい方、コレクター欲を満たしたい方などにおすすめです。
ザ・クイーン・イズ・デッド-デラックス・エディション-(完全生産限定盤)(DVD付)
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