DTM用のモニタースピーカーとして購入したVL-S3。編集作業やPCでの音楽鑑賞で数か月使ってみましたが、低音がこのサイズにしては迫力があって楽しめる音質でした。詳しくレビューします。
同サイズ・同価格帯のライバルFOSTEXのPM0.3との比較もしてみました。
VL-S3のスペックとコスパ
ウーハー | 3インチ(76.2mm) |
ツイーター | 0.5インチ(12.7mm) |
周波数特定 | 80Hz~22kHZ |
入力端子 | RCAピンジャック(ステレオ)、3.5mm(1/8″)ステレオミニジャック |
重さ | 左 1.1kg 右 1.0kg |
3インチクラスの中ではコスパもなかなか良い。端子も必要最低限だけど十分。狭い机用に小型のパワードモニターを探していたので同サイズの他のスピーカーと比較してこのVL-S3をチョイスしました。
見た目は無骨で、ザ・シンプルなデザインですが、奇をてらったようなのよりは業務用って感じがして好きです。
更にちょうどTASCAM製のオーディオインターフェースUS-4×4を使っていたこともあり、統一感を出す狙いもあります。結果組み合わせには満足です。地味な印象のメーカーですが、堅実な仕事をしてくれます、TASCAM。
音質のレビュー
正直この値段だからとあまり期待してはいませんでしたが、いい意味で裏切られました。
低音の迫力
まず再生して思ったのが低音が3インチにしては出るなと。ボワッとしているわけではなく、モニタースピーカーなのであくまでフラットで不自然に強調されてはいません。
小音量でも使える
そこまで音量を上げなくても存在感のある音が出ます。これは日本の住宅環境的にはありがたい。背面の音量ノブを回していくと、かなりの音まで上がります。自宅で最大で使うことはないでしょう。
パワードモニターとして
DTM作業時のモニターとしては、小型ということでこれよりも大きくプロの環境にも使われているようなクラスのものには敵いませんが、アマチュアのミックス作業用途としては必要な帯域は聴きわけられます。
シビアなEQや、最終確認ではヘッドホンと併用して調整しています。また、音を引き締めるためにインシュレーターは必須でしょう。
ギター演奏のモニターに
ソフト・ハード問わず、アンプシミュレーターを通してギターを弾くときのモニターとして一つあるといいと思います。ヘッドホンでの練習よりアンプから出ている雰囲気が味わえておすすめです。
僕はIK MultimediaのAmplitubeなどを立ち上げて弾いています。前述の通り3インチクラスのパワードモニターの中では低音が出ているので、ドンシャリ系の音作りでザクザクいきたいときに気持ちいいです。
デメリットについて
いいことばっかり書いていますが、もちろん気になる点もありました。
指向性が狭い
VL-S3に限らず、この大きさだとある程度仕方のないことですが、指向性(音の出る方向性・範囲)が狭めです。
耳にちょうどいい位置に置けば問題ないのですが、背が低いので机にベタ置きでは気になります。
とは言えこれだけのためにスピーカースタンドを買うのもなあ…ってことで、以前このブログで書きましたがホームセンターでレンガを買ってきてそれをスタンドにしています。
LEDが背面
電源ついてるのか消えてるのか分かんない(笑)パッと見で分かるようにそこは前面に付けといてほしかったです。というか背面のLEDって存在意義が不明です…。
PCでの音楽鑑賞に向くのか
ここまでは楽器演奏やDTM用途としての評価でしたが、むしろ僕が褒めたいのはシンプルにPCスピーカーとして音楽や動画などを鑑賞する際の音です。
フラットだけどパワーがあって楽しめます。パワードでアンプ内蔵、接続ケーブルもついてくるのでこれだけ買えばすぐ音が出せるし。
PC直、または数千円クラスのスピーカーを使っていてイマイチ迫力が足りないと感じている方にはマジでおすすめです。場所も取らないし。
FOSTEX PM0.3と比較して
おそらくライバルであろうFOSTEXのPM 0.3。こちらも優秀な3インチスピーカーで、モニター用途のみならずPC音楽用としても人気。ターゲット層が一緒で、後発のこのVL-S3は既に人気があったPM0.3を意識して作られたのかな?と思うほど。
肝心な音質の比較ですが、低音はやはりVL-S3が強いです。PM0.3の方がスマートな印象で、どちらもモニター用途なので極端な味付けは無いにしろ、けっこうキャラクターは違いました。
DTM作業用であれば正直どちらでも満足いくレベルにあります。むしろ音楽鑑賞や動画再生時などのエンタメ要素で使う際に違いが分かりやすいです。
中域が出ていてクリアなPM0.3は、人の声が聴き取りやすく、そのため動画鑑賞やテレビ番組、ラジオなどではこちらがおすすめです。また、ボーカル重視で音楽を聴きたい人にもPM0.3でしょう。
迫力ならVL-3Cで、音楽を臨場感重視で楽しみたいならこっちです。ドンシャリ系が合いますが、基本フラットなのでソース音源の特性を素直に出してくれます。あとはアクション系映画とか見るならこっちがいいかも。
Bluetooth用がある
このVL-S3には、見た目が同じで「VL-S3BT」というBluetoothに対応した機種があります。ケーブルが煩わしくワイヤレスで使いたい方は要注目です。
ただ、僕の用途では別にケーブルあってもいいし、音質はやはり有線が勝ること、楽器のモニターにも使うので遅延の可能性は少しでも排除したいこと、などの理由があり有線タイプを購入しました。
スマホからも手軽に音を流したいとか、ケーブルを繋ぐと気になる場所に置きたいケースならBluetoothは便利です。Amazon Echo用に使ってる人もいるようです。
まとめ
気付けば僕の周りにTASCAM製品が増えている今日この頃。あんまり意識したことなかったけどけっこう好きなメーカーになりつつあります。
これからDTM始めるという人、今までヘッドホンオンリーだった人のステップアップにおすすめしたいです。流石に数万円クラスのプロユース使ってる人にまですすめられませんが、コスパの面では侮れませんよ。
そこまで投資せずにPCの音質をよくしたい場合にもいいと思います。そのときはどうせならPCの接続端子に直接つなぐのをやめて、USB-DACやオーディオインターフェースを間にかませて使うと更によくなります。
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