チャットモンチーのトリビュート「My CHATMONCHY」の全曲感想記事の後編です。前編はこちら。
ダイジェスト動画【後編】
曲ごとの感想
真夜中遊園地 – 川谷絵音
キャッチーでスピード感のあるチャットの中でも人気曲を川谷絵音氏がカバー。ゲスでもindigoでもなくソロ名義です。今作中一番原曲とかけ離れたアレンジをしている気がします。チャットファン的には評価が分かれそうですが高い演奏力を見せつけるような仕上がりは聴き応えがありました。途中カオスな部分や語りなども入っていて彼のワールド全開です。
湯気 – Hump Back
大阪出身の3ピースガールズバンドがカバーしたのはカップリングの中でも人気が高い「湯気」。バンドの始まりはチャットモンチーのコピーをしていたということもあり、かなり原曲に近い1曲です。ボーカルの声質や歌い方も似てるので一瞬カバーか本家か分からなくなるほどでした。こういったトリビュート作品では原曲と全然違ったアレンジも面白さの一つですが、真面目に忠実にやるというのもリスペクトが感じられて好きです。
恋愛スピリッツ – グループ魂
曲名とバンド名の組み合わせでなんとなく予想がつきそうな感じです。前半耐えきったら1:30あたりから曲が始まります(笑)。演奏自体はパンクロックでかっこいいです。チャットの二人も出てくるこのバンドお馴染み(?)の何やら不穏なコントはそこだけ切り取って別で聴きたい出来でした。
余談 – スチャダラパー
3枚目のアルバムに収録されている1曲。原曲のサンプリングに、ああスチャダラパーだなって感じの気の抜けたラップがなぜか合っています。スペーシーで近未来的な香りがしました。まさに余談ですが「告白」は僕の一番好きなアルバムなのでそこから選曲してくれて嬉しかったです。
染まるよ – きのこ帝国
この組み合わせで良くならないわけがないという気がします。きのこ帝国がアダルティーな染まるよを披露してくれています。バンドの特徴でもあるアンビエントなギターサウンドが要所で切なさを演出していました。
小さなキラキラ – 月の満ちかけ
一般公募枠からもう一組「月の満ちかけ」という東京のバンド。まずこの曲を選ぶ時点でチャットを本当に聴きこんでいることが分かる気がします。原曲でも鍵盤が使われていますが、このカバーでは伴奏はほぼ鍵盤のみで、それがまた良かったです。改めてメロディーの素晴らしさを噛み締めるようなカバーでした。
東京ハチミツオーケストラ – ギターウルフ
この曲でギターウルフ。これを最後に持ってくるというのが流石です。スーパー大ベテランが青すぎる歌詞を歌うというギャップ。正直「トリ」とも「オチ」ともどちらでも取れるようなニクイ演出でした。アレンジ的にはそんなに遠くないのに原曲らしさがあまり感じられないというのも濃すぎる個性が為せる業でしょう。
まとめ
原曲たちが好きすぎるのでどうなるか自分でも少し不安でしたが、全体的には聴いてよかったと思えるトリビュートでした。また何度も聴きたくなるような曲もいくつかありました。チャットファンならもちろん、この中に好きなバンドが一つでもあればとりあえず聴いてみてほしい一枚です。
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