「パンクロック」と言うとシンプルなコードやパワーコードが主体の簡単なギターを思い浮かべる方も多いと思いますが、実は魅力的なギタリストも多数います。パンク独特のプレイやスキルなどを持ち合わせた要チェックなギタリストたちをご紹介します。
Brett Gurewitz
まずは「メロディックハードコア」というジャンルの元祖とも言えるバンドBad Religionの初代ギタリストのご紹介です。Epitaph Recordsの社長としても知られている彼ですが、ギタリストとしてのスキルも素晴らしく、楽曲の印象を決定づけるようなイントロフレーズやパンクロックにしては堅実なソロを弾いたりします。初期のBRの楽曲のうちかなりの数を彼が書いており作曲者としてもレベルの高さが窺えます。
Greg Ginn
ジャンル問わず様々なバンドが影響を受けたハードコアパンクバンドBlack Flagのギタリスト。「変態」という言葉がこれほど似合う人もなかなかいないのではないでしょうか。半音ずつ下がっていくフレーズやスケールなんか完全無視した本能で弾くギターは理屈では説明できないかっこよさがあります。ソロ活動でも理解しがたい前衛的なファンク、ジャズなどを彼らしいスタイルで披露しています。
Dr. know
黒人ハードコアパンク・レゲエバンドとして全世界に衝撃を与えた伝説のバンド、Bad Brains。ギタリストのDr. Knowはアグレッシブなパンクらしいアプローチから、グルーヴィなレゲエ的プレイ、そしてスピード感あふれるソロなど圧倒的スキルを見せつけています。アルバム「Rock for Light」でのSailin’ Onなどで聴けるギターソロは激速でこんなの人間に弾けるのかと思うレベルですが、実は音源自体の速度を若干上げて収録されていたというオチはファンの間では有名です。
El Hefe
日本でもメロコアブームとともに人気を博したFat Wreckの代表NOFXのリードギターを務めるEl Hefe。バンド自体ライブではおちゃらけたノリでやってたりしますが、演奏技術はパンクバンドの中ではかなり高い方で、細かい単音リフや短い曲中でも印象的なソロなどを弾いています。歌も実はボーカルのMikeより上手かったりします。
Stephen Egerton
このギタリストを紹介したいがためにこんな記事を書いたと言っても過言ではないです(笑)僕のギターヒーローの一人Stephen Egertonです。独特なコードフォームやフレーズ、確かなスキルを感じさせる演奏はパンクロック好き以外の方にも聴いていただきたいです。DESCENDENTSよりはALL時のギタープレイの方が個性的で好きです。他人と同じギターは弾きたくないという意地みたいなものを感じるクリエイティブなリフは聴いていて参考になります。このバンド自体がマシーンのような正確な演奏をするモンスター集団なのですが、特に彼はライブでもエフェクターなどを使わずアンプとギターのボリュームやトーンのみで多彩な音作りをしていて、真似したくてもできないオンリーワンのギターです。
Jason Camacho
この中ではネームバリューやバンドの活動期間的にも一歩劣るかも知れませんが、大好きなのでご紹介します。Kung-Fu Recordsに所属していたバンド「Audio Karate」のギタリストJason。メロディーの裏でピロピロ弾きまくってソロもしっかりやるパンクにしてはリードが主張するスタイルがお気に入りです。全然引かない常に前に出まくりの感じが聴いていてい気持ちいいです。
まとめ
パンクやメロコアは10代で卒業したという方もおられると思います。僕も離れた時期もありました。ですが改めてちゃんと聴いてみると音楽的な面白さや勉強になるギターフレーズなどもあって楽しいです。
良いパンクギタリストというのは、一般的な評価に照らし合わせるとギターはあんまり上手くない場合が多いです。が、例えばフュージョンやメタル系のハイテクギターとはまた違った、下手でもなぜかかっこよさがあります。必ずしも「上手い=かっこいい」ではないんだということを教えてくれたジャンルです。懐かしい方も新鮮な方も、みなさん今一度パンクロックギターの世界に浸ってみましょう。
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