NUMBER GIRLの遺伝子を受け継ぐバンドたち

ライヴ・アルバム ~サッポロ OMOIDE IN MY HEAD 状態
僕が人生で一番ハマった日本のバンドNUMBER GIRL。好きになったときには既に解散していましたが、短い活動期間ながら彼らは後の邦楽ロックシーンに多大な影響を及ぼしました。

そして2020年には奇跡の再結成、更にはまさかの地上波出演など数年前には誰も予想しなかった怒涛の展開が現在進行形で起こっています。

そんなナンバガの影響を受け、音楽性も似通った部分のあるバンドをいくつか紹介します。

Base Ball Bear

まず思いつくのがこのバンドです。楽器のフレーズや音作り、歌詞に出てくるワードなどあらゆる部分に色濃く影響がうかがえます。ジャキジャキした小出氏のギターの音はまさにそれ、ドラムの堀之内氏のフレーズなどからは本当にアヒトイナザワが大好きなのが伝わってきます。さらにアヒト氏自身も影響を受けたと語るTHE POLICEのスチュワート・コープランドをフェイバリットドラマーに挙げており、二人のドラムプレイから同じ遺伝子を感じずにはいられません。曲の始めのカウントなどもアヒト氏リスペクトですね。

ベボベの初期は特に、音源のMIXもナンバガの音を目指して作っていたであろう仕上がりになっており、ジャケットのデザインまで寄せてきています。「つよがり少女」という曲がまんま「水色革命」なのはファンの間でもネタになっています。

しかしバンドが成長していくにつれ、単なるナンバガフォロワーから彼ら独自の音楽性を確立していきました。アルバム「C」で早くもナンバガの色を残しながらもよりポップなベボベ流のギターロックを完成させています。それ以降もダンスミュージックなど最近の流行も取り入れつつ天性のメロディーセンスで新しい作品を作り続けています。

2016年にはリードギターの脱退事件でひと悶着ありましたが、その後様々なバンドのギタリストと共演する形で逆風を味方につけました。なんとその参加ギタリストの中にはあの田渕ひさ子氏もいたりと、ナンバガ、ベボベ両方のファンにはたまらないニュースもありました。

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ハヌマーン

すでに2012年に解散した3ピースバンド。ナンバガだけではなくZAZEN BOYS以降の向井氏の音作りにも影響を受けたような、緊張感のあるサウンドが特徴でした。楽曲としてはナンバガよりも泥臭く、ギター、リズム隊共にテクニカルなフレーズも使っており、音作りこそ影響を感じますがオリジナリティー溢れる唯一無二の世界観を作り上げていました。

解散後も若いバンドマンたちに愛され続けていて、大学の軽音楽部などでは頻繁にコピーされているのを見かけます。

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凛として時雨

現在はギターの音色などに少し影響を感じる程度ですが、初期の頃はナンバガへの愛が音源から伝わってくるようなバンドでした。それは歌詞のセンスからも漂っています。僕はこの初期の頃のほうがこのバンドに関しては好きです。TK本人も確かナンバガの影響を公言していたと思います(出典が確認できないので違ったらすみません)。

ドラムの中野氏はメタルやV系の要素もあるドラムプレイで、アヒト氏とはまた方向性の違う手数の多さです。初期のほうが好きといいましたがもちろん今の時雨も好きで聴き続けています。

Cinema Staff

進撃の巨人のエンディングテーマを担当するなど破竹の勢いのバンドです。メンバーもナンバガ好きを公言しており、その影響も分かりやすく楽曲に現れています。「君になりたい」という楽曲のビートなどは、「Drunk Afternoon」を彷彿とさせます。

あとは、ドラムがシンバルスネアキックの8分同時打ちでダダダダ…とクレッシェンドし、バンド全体で盛り上がっていくような手法もナンバガに影響を受けたバンドがよくやるイメージがあります。

或る感覚

世代的にはナンバガ直系というよりも、この記事に挙がっているバンドたちに影響を受けた結果ナンバガの要素も入っている、といったほうがいいかも知れません。ジャキジャキアンドショートディレイのギターは系統っていう感じがしますね。

残念ながら既に解散しています。元気よく男くさいボーカルと楽曲たちは、これからの邦楽ロックも元気にしてくれそうな予感があっただけに残念です。

完全にノンフィクション

こちらもナンバガに合わせてZAZENの影響もうかがえるバンドです。ギターの音はモロですね。歌詞も向井氏の雰囲気がありながらも、彼らの地元大阪の街の風景が思い浮かぶような内容です。大阪のバンドらしい、言葉では表しにくいナニワ感みたいなものがあるバンドです。

※この音源は完全にノンフィクションです。」という作品をタワレコで見つけて聴いてから個人的になんとなく気になって、彼らの活動を追い続けています。

まとめ

NUMBER GIRLの影響について公言しているバンドも特に言及していないバンドも、独断と偏見でご紹介してみました。明らかにナンバガ以前と以降で違う日本のロックシーン、彼らの存在の大きさを感じずにはいられません。そして、その遺伝子を受け継ぐこれらの素晴らしいバンドの中にナンバーガールは生き続けていき、それぞれのオリジナリティーの中で昇華され、もっと邦楽ロックが面白くなっていくことでしょう。

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