僕が中学生の頃ドラムを始めて、そのとき購入したマイファーストキックペダルTAMAの「アイアンコブラ」。名前がイカツイですが、そのイメージの通りけっこう重く、作りもしっかりしています。そのせいか10年以上使用した今でも現役で僕のメイン機材です。この記事では長年使用した感想やペダルの特徴などをお話しします。
購入のきっかけ
非常に単純ですが、「楽器屋の店員さんにすすめられたから」というのがきっかけです。当時ドラムの実物すら触れたことのない状態で、ただドラムを始めたいという一心で楽器屋に行きました。そんなだから予備知識も何もなく、ドラムを始めるならまずスティックとペダルは必要だということを教えられ、適当な5Aのスティックを購入。そしてペダルもその場で買ってしまおうということになりました。
店員さんは、どんな音楽が好きでどんな曲がやりたいのかということを僕に聞きました。僕は「パンクロックとか好きです。あとNUMBER GIRLが大好きです。」的なことを言ったと思います。すると「それならこれがおすすめだよ」と言ってこのアイアンコブラを出してきました。今考えるとまさにアヒトイナザワ氏がアイアンコブラを使っていたので、店員さんはちゃんと僕の伝えた音楽の趣味を考慮しておすすめしてくれたのだと思います。黒とメタリックの組み合わせとゴツい見た目も気に入ったので、僕は特に何も考えずその場で購入を決めました。
ペダルに慣れるまで
購入してからしばらくは電子ドラムで練習していました。パンクやメロコアによくある速いツービート?の、「ドッタンドドタン」の「ドドッ」というダブルをひたすら練習していたように思います。やがて友達とバンドを組み、スタジオで生ドラムを叩くようになりバンプやエルレガーデン、そして念願だったNUMBER GIRLのコピーなどをやりました。
この時点ではこのペダルしか知らないので、他機種との差なども分かりませんでした。ただ特に不便に感じたこともなく、不具合もなくパーツを変えたりすることもないまま使い続けました。速いビートでも踏みやすく、上達するにつれ気持ちよく踏めるようになっていったと思います。
ペダルの特徴
数年が経った頃、ついに他のペダルにも手を出してみました。しかし、別にアイアンコブラが壊れたとか不満があったという訳ではなく、ただ他のペダルにも触れて新しい発見をしてみたかったという好奇心からです。そこでニューペダルに選んだのがDWの「5000-AD3」でした。
アイアンコブラが重いことに気付く
このDW5000を踏んでみたことにより、初めてアイアンコブラの踏み込みの感触が重めなことに気付きました。前々から他人の感想などで「アイアンコブラは重い」というのはよく聞いていましたが、実際に他のペダルを踏むまでは「そこまで重くないでしょ」と思っていました。しかしDWを踏んでその軽さに驚きました。しばらくそのままDWをメインとして使用し、とてもスピード感のあるプレイが可能になりました。そのときの感想やDW5000のレビューは、以下の記事にも詳しく書いています。
そしてDWでライブなどを数回やるうち、なにかしっくりこない気がしてきます。そもそも、”重い”ということは別に悪いことではなく、その分パワーが出るし、逆にこの重さに慣れていた僕は足を踏み込むタイミングなどがアイアンコブラじゃないと違和感が出てしまうようになっていたのかも知れません。そんなこんなで、結局半年も経たずにまたメインをアイアンコブラに戻すことになります。
パワーグライド
他のペダルも踏んだことにより、遅ればせながら自分のペダルの特徴も知っておこうと少し勉強することにしました。そこで知ったのが、アイアンコブラには種類があるということです。
- パワフルでスピーディーなストロークが特徴の「パワーグライド」
- 素直で安定した踏み心地の「ローリンググライド」
- 軽快なフットワークが楽しめる「フレキシグライド」
の3種類があるそうで、これを知った僕は慌てて自分のアイアンコブラのタイプを調べました。どうやら「パワーグライド」だったようです。何年も使ってるくせに種類の違いなんか何も知りませんでした…。
かなり経ってから「ローリンググライド」も踏んでみる機会がありました。僕の「パワーグライド」とは確かに違います。というか安定感という意味では「ローリンググライド」のほうが良いと思ってしまいました。しかし1発の迫力や存在感などは「パワーグライド」に軍配が上がります。今更買い替える気もないし僕はパワーグライド一筋でいこうと思います。
更にアイアンコブラシリーズの種類の違いについて詳しく知りたい方は公式のHPをご覧ください。
ビーターを変えた
僕がこのペダルに唯一行ったカスタマイズがビーターの変更です。ドラム歴4年目くらいでDANMERのウッドビーターに変えました。理由は古いドラムマガジンを読んでアヒトイナザワ氏がアイアンコブラ+DANMER 205の組み合わせをやっていたことを知ったからです。すぐに影響される僕。即買いました。「りんご飴」という通称がピッタリの存在感のあるビーターです。プラスチックよりも音が硬くなく、芯をとらえた迫力のある音が出るようになりました。ロック一辺倒だった僕はこのサウンドがすぐに気に入り、それ以降今までこのビーターでやっています。
10年経っても現役
スプリングなどは錆びて何度か交換していますが、その他故障や不具合もなく今日も元気に僕に踏まれています。ここ数年いろんなペダルも試しましたが、やっぱりアイアンコブラ以上にしっくりくるペダルには出会えませんでした。10年前のペダルなので、同じアイアンコブラでも現行品とはデザインも作りも少し違います。昔と比べると色々と進化しているようですが、まだまだ使えるうちはこれを手放す気にはなれません。「現行品は昔のものより軽くなって踏みやすくなっている」という情報もあるので、やっぱり新しいのもちょっと気になりますが…。
まとめ
ドラム初心者の本や講座などで「最初の機材選びは慎重に」というアドバイスをよく見ますが、僕のようにテキトーに選んでそれが結果的にベストだったというケースもあります。まあその時の楽器屋の店員さんのおかげだし、アイアンコブラ自体人気のペダルなので安パイだったということもあります。
経験も踏まえて、ファーストペダルとして自信をもっておすすめできるペダルです。ただパワーとローリング、そしてフレキシのどれが合っているかだけは、購入前に確かめておいた方がいいです。あとアイアンコブラとDANMERウッドビーターの組み合わせは、ロックの大音量の中でも埋もれずに存在感を出したい人には是非一度試してほしいです。
コメント