コスパ最強のマルチエフェクターZOOM G5nの欠点をあえて語ってみる

ZOOM ズーム マルチエフェクター ブラック【メーカー3年延長保証付】 G5n
音もいい感じだしできることも多いし、大げさですが正直この値段でいいの?としばらくマルチ系から離れていた僕は思ってしまうくらいコスパのいいZOOMのG5n。

そんなとても満足感の高いG5nですが、出来がいいだけにいくつか気になる点があります。他のマルチと比較したときのデメリットや、バンドや個人で使おうとしたときにちょっとアレ?と思ってしまう部分をあえて挙げてみようと思います。

エフェクトの考え方

G5nは同時に9個のエフェクトを使うことができます。ただし、アンプシミュレーターやキャビネットシミュレーターを使う場合はそれもエフェクトの数にカウントされるので、使える数は減ります。

更にリズムマシンやルーパーもこのエフェクト内でやり繰りしていくので、まずは購入前にこのZOOM Gシリーズの基本システムを理解していないと人によってはちょっとがっかりすることになるかも知れません。

スポンサーリンク

DSP問題

ZOOM G5n エラー画面

まあ前述のエフェクトシステムに関しては使いやすいし個人的に良いとは思うのですが、気になったのはけっこうDSPがいっぱいになる場面に出くわすことです。DSPパワーというのはデジタル機器に必要な処理能力みたいなもので、これがいっぱいになると「Process Overflow」と出て、「処理能力を超えているのでそのエフェクトは使えませんよ」とG5nが知らせてきます。

G5nは最大処理能力を100としています。公式サイトのマニュアルで確認できる各エフェクトが使うプロセシングパワーを参考に、この歪みは5、このリバーブは20という感じで合計が100以下になるように組んでいきます。自分の理想の組み合わせが実現可能かどうかを大体で確認することができます。
スポンサーリンク

容量を喰うエフェクト

まずアンプシミュレーターが一番容量を食います。これ単体で宅録する際はほぼ必須ですがライブで単に「マルチエフェクター」として使う場合はいらないこともあります。アンシミュを2つ以上使ったりというトリッキーなことはまあしないと思いますが、一つだけでもけっこうデカいです。

他には一部コンプ、歪みなどけっこうよく使うエフェクトも割とDSPを食います。あと飛び道具っぽいかかり方をするリバーブもかなり容量使います。なので、アンビエント系をG5nだけでやりたいと考えている方などは、このDSP問題と戦わなければなりません。

普通に使おうとしてるときでも、歪みをいくつか用意してディレイを二つ、あとリバーブを…コンプも足しとくか…的な感じでフィーリングでエフェクトを組み立てているときに「Process Overflow」の文字が出てくると、ちょっとイラッとします(笑)。

このDSP制約のせいで、「できそうなのにできないことがある」というのは使っていて引っかかる部分でした。色々エフェクトが使えそうだからG5nにしたのに、少ないエフェクトでいいならG3nとかG3Xnででいいじゃんっていう…。

まあちゃんと考えて使えばそれなりに使える9個の組み合わせを作れますし、こういった部分も楽しんで作っていけるといいなと。

接続先設定のこと

親切なアンプシミュレーターには、フロントのインプット接続、リターン接続など各接続先によって適した設定になる切り替え機能が付いていたりしますが、このG5nはアンプに接続する際に接続先を選択するような機能が付いていません。

まあコスパや前述のDSPが限界なこともあり仕方ないかなと思う一方、ZOOMの前シリーズのマルチにはこの機能が付いていて今回Gnシリーズで削除されたということから、この部分は改悪かなと…。やっぱりセンドリターンに繋ぎたいと思う方は多いと思います。

別にG5nをリターン接続で弾くことができないわけではありません。が、どうもリターンに繋いで弾くと音がモコモコするというか、あんまり良くない気がします。他でも同じことをやった人で割とそういう感想を聞きます。また、ZOOM側はこのG5nの接続先としては一応フロントインプットからの接続を「推奨」しているようです。

やはり普通に正攻法のつなぎ方をするのが結果的に一番いい音が得られると思います。

ルーパーの使い勝手

ルーパー機能は個人的に一人で遊ぶときとかによく使います。このマルチについているルーパー機能はいたって普通ですし、録音可能時間が割と長めなのもいいと思います。でも、DL4のルーパー機能にさんざん慣らされた身としては気になる部分がいくつか出てきました。

まず、短い時間でループさせることができないという点。まああんまりやらない使い方かもしれませんが、0.数秒だけ音を切り取ってループさせるトリッキーな方法は無理です。最低でも1.5秒以上録音しないと次にいけない仕様になっているみたいです。まあ搭載されているディレイ系のエフェクトで似たようなことはできますが…。

あとは再生、停止、アンドゥなど一通り操作できるのですが、録音したループを「1回だけ再生する」という機能が欲しかったなあと思います。これがあればMinus The Bearごっことかできたのにとちょっと惜しい気持ちになりました。

更にループ音を逆再生、倍速にする機能とかもあれば面白かったなとは思いますが、さすがにいちマルチのおまけ的ルーパーにそこまで求めるのは酷かなあと。そこまでやりたかったらルーパーを別で用意するかそれこそLINE6の高級マルチ(Helixシリーズとか)を買うべきですね。

おわりに

愚痴る記事になってしまいましたが、これもZOOM G5nがめっちゃ使えるからこそなんです。コスパもよくて、音もリアルで、できることもけっこうあるだけに、更に上を要求したくなってしまいます。

これらのことができなくても十分使えるマルチだと思うし、僕が気になったというだけで、人によっては全く気にならない点ばかりかも知れません。総合的にはコスパ重視かついい音を求めている方に割と本気でおすすめしたいマルチです。

コメント