NUMBER GIRL – おおキャンディ

NUMBER GIRLの中で一番好きな曲であり一番思い出深い曲です。きっと世間ではナンバガというとSAPPUKEI以降の、Dave FridmannプロデュースによるUS録音の鋭く冷たい硬質な音と、殺伐とした世界観の歌詞をイメージされる方が多いのではないでしょうか。もちろんそれらの頃の曲も大好きなんですが、しかし僕がナンバガで一番好きな時期はそれ以前の、バンドメンバーが上京する前の頃です。後期と比べると音も悪いし演奏も荒削りですが、ポップでパンクな曲調と青春や恋愛について歌う歌詞と相まって、非常に青く儚い空気を感じ取ることができます。この空気感は他のどんなバンドにも出せない、彼ら自身ですらこの時期にしか出せなかった、唯一無二のものだと思います。

この曲はそんな青春全開の初期の頃の中でも最初期のもので、自主制作のカセットテープ「Atari Shock」に収録されています。僕はこのテープの存在を知ったとき喉から手が出るほど欲しかったのですが、既にバンドが解散してしばらく経っていたためそんなものとっくに手に入るはずが無く、後にリリースされたレアトラック集になんとこの曲が入っているのを見たときは泣くほど嬉しかったです。でも元のテープの状態が悪く伸びていたのか、そのレアトラック集のバージョンは原曲よりテンポも遅めでピッチもズレています。そしてこのビデオはそれを元に演奏しているので、そのズレたピッチにギターのチューニングを合わせるのに苦労しました。苦労した割には全然合ってないですが、そういった事情があったことを察していただけると幸いです。

この動画は本当に何年前に録ったのか忘れたくらい古い演奏です。レアトラック集を発売と同時に購入してこの曲を聴いてからずっとコピーしたいと思っていました。初めてコピーにとりかかって音源自体のピッチがズレていることを知ったときの絶望感といったらなかったです。でもその後開き直って、そのズレたピッチにギターの音を合わせればいいんだ、という無謀なことを思いつきました。結果がこの動画です。

使用機材

GuitarFender USA Telecaster
StringsD’Addario EXL110 .010-.046
Audio InterfaceTC Electronic Impact Twin
DAWCubase 5
Plug-inPOD X3
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演奏について

難易度的には易しめで初心者でも挑戦しやすいです。でも左チャンネル(動画は向かって右)の向井さんパートは、バッキングながらリズミカルなブリッジミュートで細かい動きをしているので、慣れるまでは大変かも知れません。全体的に両パートともバンドスコアにしたら譜面には載らないような小技というか、細かいニュアンスがあるので、それらをコピーするのに苦労します。

あとは音作りです。この初期の頃はそこまで鋭角ではないですが、後に完成されるいわゆるジャッキジャキの鋭角サウンドの片鱗を見せています。基本ピックアップは向井さんパートはセンター、田渕さんパートはフロントで弾きました。向井さんのあの音はPOD X3のAC30モデルがとても役立ちました。若干大げさにジャキジャキさせすぎた感はあります。

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この曲が収録されている音源

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