リアルなUI
まず目を引くのがリアルなドラムセットが確認できる編集画面です。各ドラムやシンバル類のデザインもかなりリアルで、ちゃんと実在のスネア等のデザインをCG(?)で再現してあるのでドラマー的にも見てて面白いです。これが打ち込んだ通りにペダルまで連動して動くので、起動しながら他の楽器を演奏するとバーチャルドラマーとセッションしているような感覚になれます(笑)。各パラメーターや楽器の変更も直感的に分かりやすく、初心者~上級者まで対応した優秀なユーザーインターフェースではないでしょうか。でもよく動くこだわりの画面のせいでちょっとソフト自体の重さに拍車がかかっているかも。まあ最近のPCなら問題なく動きますが、ちょっと古めのやつだと要注意です。
アンビエンスのこだわり
ドラムセットから離れた場所に設置したマイクから拾った、空気感などを表現するために重要なアンビエンス関連の音がかなりこだわったつくりになっています。マイクの数や種類、距離などが細かく、SD3のリアルさの秘密の一つです。しかし、ドラムの音作りやミックスにまだ慣れていない人にとっては、このアンビの扱いが鬼門になる可能性があります。リアルだからといって混ぜすぎると浮くし、適度に調整する必要があります。その辺はプリセットの設定から勉強したり、それをそのまま使ってもいいと思います。
各ドラムの音について
僕が特にリアルだと思ったのはハイハットオープン時の上下のシンバルが擦れる音です。これまでのドラム音源でここは一番じゃないかと思ったほど。一方クローズ音は一番閉じた音はチキチキと超タイトでいいんですが、細かいことを言うとそこからちょいオープンまでの間にもう一個ルーズなクローズ音があると完璧だったなあと思います。電子ドラムで演奏する場合もクローズ~オープンを段階ごとに調整できるので好みの演奏性に近づけることができます。確かSD2ではこれが出来なかったのでよくぞ対応してくれました。
シンバルもいい感じです。薄めのシンバルのアタック感がちょっとわざとらしいかなと思う程度。スネアに関しては前作のSD2はかなり独特なヒット音で、スネアの音でSD2だと気付くレベルでしたが、それに比べるとよくなっています。オープンリムのかかり具合とかもドラマー目線から見てもけっこうちゃんとしてます。そして各種ドラムのブリード(他のドラムの音がマイクに乗ってしまうこと)も他のドラム音源に比べると本物っぽくて、これがもう一つのSD3のリアルさの秘密ではないでしょうか。この部分も調子に乗って混ぜすぎると変な感じになります。
BFD3より生っぽい?
僕の個人的な印象ですが、これまでのドラム音源ではBFD3が一番生っぽいかなと思っていたのですがこのSuperior Drummer 3はそれに迫るくらいリアルでした。といってもまた方向性が違う部分もあるので一概にどちらが上かという話でもないですが。シンバル類などはBFD3の方に軍配が上がる気がします。このSD3は他の楽器と混ざって音源に溶け込んだ時に前述のこだわりのアンビエンスのおかげで本物のドラムっぽさがより増しています。
デフォルトのドラムセットやプリセットでは、ロック~電子系にまで対応していてオールマイティーな印象ですが、やっぱりもっと踏み込んだジャンルの音が欲しい場合には別売りの拡張音源に期待した方がいいですね。この辺は既にいろんなジャンルの拡張音源がリリースされているBFD3を始めとした他のドラム音源が強いです。SD3はこれからに期待というところでしょうか。
二つの音源の比較
僕が曲の中で演奏したものですみませんが、BFD3とSD3それぞれの音源を使ったものを比較してみます。毎度ミックスや演奏力などがアレなのであんまり参考にならないかも知れませんが…。
BFD3を使った音源
この音源では確かファンク系のプリセットを少し弄って使っています。軽めでソリッドな音がお気に入りです。
Superior Drummer 3 を使った音源
こちらはSD3のPremierのデフォルトキットを基本に使っています。スネアはNoble and Cooleyの7インチを使用。デフォルトのスネアの中ではこれの音が一番好きです。ロールとか個人的に本物っぽい気がします。
まとめ
ドラム音源の中ではまだ新しいSuperior Drummer 3。ざっと見てみたり触ってみた感想でした。色々とメインで使っていけそうなドラム音源です。他のドラム音源もそれぞれ長所、短所があるのでシチュエーションごとにうまく使い分けたいですね。
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