独特の響きが得られ、開放弦との組み合わせで個性的なコードやフレーズが作れるオ
ープンチューニング。キラキラしたギターサウンドとの相性の良さから、エモやマスロック系のジャンルでは多用されています。バンドごとの様々な種類のチューニングと、そのチューニングが使われているおすすめの曲をご紹介します。
F A C G C E
American Football – Never Meant
まずご紹介するチューニングがこちら。全弦開放でFM9の響きになる組み合わせです。エモ・インディーロックファンの間では伝説のバンド、アメフトの代表曲で使われていることで有名で、一部では「Never Meant Tuning」と呼ばれたりしています。
The Story So Far – Navy Blue
勢いのあるポップパンクバンドのアコースティックソング。一聴してNever Meantっぽいギターの響きなので、FACGCEなのが何となく分かりますね。元気のいいボーカルと切ないアルペジオの対比で泣けます。
This Town Needs Guns – Crocodile
有名なベテランマスロックバンドTTNGもこのチューニングを使っています。この曲ではカポを3フレットに付けています。指弾きで奏でる複雑かつ美しい響きは必聴です。
FACGCEについての解説記事
こんな記事も書いています。ギターをやっている方の参考になれば。
E A♭ B G♭ B E♭
Transit – Long Lost Friends
「Neve Meant Tuning」の半音下げバージョンです。こういったポップパンク系の楽曲にも対応可能です。スライドやハンマリングを使って立体的なフレーズを作り上げています。オープンチューニングの特徴を上手く落とし込んだバンドです。
D A D F# A D
Owen – One of These Days
オープンチューニングの中でもポピュラーないわゆるオープンDです。ポップスやロックなど一般的なジャンルにも浸透しています。マイク・キンセラのソロプロジェクトOwenの楽曲でもよく使われています。こちらは4カポでのオープンDで切なく暖かい演奏を聴かせてくれます。
D A D F# A E
Their / They’re / There – Travelers Insruance
オープンDから1弦を1音上げたスタイルです。紹介動画にいきなり僕の演奏をぶっこんですみませんがゼアゼアゼアというインディー・マスロックのオールスターバンドのギタリスト、マシューがよく使うチューニングです。開放弦でのプリング・ハンマリングを上手く使って賑やかなプレイになっています。
D♭ A♭ D♭ F A♭ E♭
You Blew It! – Terry v. Tori
上記のチューニングを半音下げたバージョンです。エモ界隈で人気のバンドYou Blew It!の初期のキラーチューンです。コード弾きの合間にトリッキーな単音フレーズをちょこちょこ挟むのもオープンチューニングのバンドがよくやる奏法です。
D♭ A♭ D♭ F B♭ E♭
Into It. Over It. – Anchor
こちらもオープンDの半音下げからの変形スタイル。最早重鎮となった器用なEvanのプロジェクトInto It. Over It.からの1曲。アコースティックギターでの弾き語りが映える美しい響きのチューニングです。
D A E A C# E
Algernon Cadwallader – Spit Fountain
エモ・リバイバルのムーブメントで一躍人気バンドとなったAlgernon Cadwalladerの代名詞的チューニング。ボーカルの裏メロとしても常に弾きまくる特徴的なギターがかっこいいです。実際に真似するとなると3弦と2弦が1音上げなので弦を切りそうで怖いです。
B F# B F# B F#
Floral – Climbing a Wall
奇抜なチューニング枠からはギターとドラムというシンプルなツーピースバンドFloralのご紹介です。常に両手タッピングポジションで忙しいギタープレイを魅せてくれます。
D A E A B E
American Football – My Instincts Are The Enemy
またしても僕の演奏動画ですみません。アメフトの再結成後の新譜からの1曲です。本家は指とピックを使って器用に旋律を奏でています。同じチューニングでの2本のギターのハーモニーも聴きどころです。
E A C# E B E
Now Now – Lucie Too
クールな女性ボーカルのハーモニーがどうしようもなく切ないバンドです。レギュラーチューニングから4、3弦を少し変えていますがそれによって効果的に独特な和音を表現しています。
まとめ
ほんの一部でしたがオープンチューニングを使ったバンドの楽曲をご紹介してみました。やはりレギュラーではできない独特の和音が心地いいものばかりです。皆さんも普通のギターサウンドに飽きたら自由度の高いオープンの世界に踏み込んでみてはいかがでしょうか。
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