お馴染みエモ系チューニングシリーズ。考察と言っても大したことはないので詳しい方には物足りないかも知れません。このチューニングを使っている主なバンドや実際に使ってみた感触や使えそうなコードフォームなど。
DAEAC#Eを使っているバンド
まずはこのチューニングを使っているバンドをご紹介します。どんなリフを弾くのか、スタンダードと比べて響きがどう違うのかなど非常に参考になります。
Algernon Cadwallader
僕の中でDAEAC#Eのエモバンドといえばこの方たちです。既に解散してしまっていますが2010年代前半のエモ・リバイバルムーブメントを牽引したバンドの一つです。ベースボーカルなのでギターが自由なこともあり、曲の中でずっと裏メロを弾いているようなある意味ボーカルより目立つプレイがとても魅力的です。コピーしているといつの間にか使えるフレットや手癖的フレーズが身につくので、まずこのチューニングに慣れるためにおすすめのバンドです。
Tiny Moving Parts
今やビッグな存在となった彼ら。スタンダードやドロップD、FACGCEなども使いますがこの動画で聴ける曲ではDAEAC#Eを採用しているようです。前述のAlgernon Cadwalladerと比べるとコードストローク主体なことが多い気がします。使えるコードフォームを覚えるのにいいかも。そして要所でテクニカルなタッピングを入れてきます。リズム隊のスキルも高くエモ・マス系のドラムやベースのアイディアの参考にもなります。
DAEAC#Eの特徴
それでは実際にDAEAC#Eの特徴を見ていきます。
全弦開放でA/Dになる
どのフレットも押さえずにすべての弦を鳴らすと「A/D」のコードになります。何もしなくてもオンコードでかっこいい響きになっているのが特徴です。この場合ルートは5弦とそのオクターブ上の3弦で、それに6弦のD音が分母になっているかたちです。当たり前ですが5弦と3弦の同じフレットを押さえて他の弦をミュートすればオクターブ奏法になります。その際他の弦の開放音を混ぜるとオープンチューニングらしい響きを得つつオクターブを使ったインパクトのあるフレーズを作れたりします。
使えるキーは
正攻法でいくとAメジャーのキーに対応しているチューニングです。他のキーもこのまま使えなくもないですがせっかくのオープンチューニングなのでキーを変える場合はカポを使いましょう。
6弦開放がⅣ、5弦開放がⅠになっていて何ならこの二つの開放弦をもとに他の弦を適当にアルペジオっぽくつま弾くだけで1曲出来たりします。6弦0フレット→2フレット→4フレットとルートをずらしながら他の弦も組み合わせると手軽に定番のⅣ→Ⅴ→Ⅵ(m)の流れにできます。こういう進行は実際にこの手のバンドもよく使っています。
使えるコードフォーム
ほんとに初歩的ですがこのチューニングで主要なDとAのコードを例にして使えそうなコードフォームを考えてみます。基本の3和音から、maj7、そしてエモ系でよく使われるsus2やadd9のフォームなど。
Dのコードフォーム
Aのコードフォーム
別にスタンダードチューニングでも弾けるコードですがやはり独特の響きがある気がします。そしてこれを基本に更に踏み込んでDAEAC#Eならではのオリジナルのコードフォームを見つけて見てください。このチューニングでコードを作っていると開放音の関係でけっこう異弦同音に出くわしますがそこはあまり気にせずにやるといいと思います。むしろその異弦同音の響きがよかったりするので。
Dコードのトライアドとmaj7あたりは6、5弦をミュートして4弦ルートとすれば、フレットをずらすだけで各コードに対応できる便利なフォームです。リードギターならハイフレットでこのフォームでアルペジオしてみたりすると馴染みがいいです。
DAEAC#Eらしいリフ
僕もまだ練習中なので偉そうなことは言えませんが、このチューニングらしいリフといえばツインクリーなキラキラ系が映えます。そして音の並びによって各弦で開放弦のハンマリング・プリングがやりやすいので、それを使ってドラマチック、メロディアスなアルペジオなどを弾いてみるとハマります。
例では僕が記事を書きながら思いつきで弾いた感じです。6弦0→2→4→5弦0とルートを移動しつつ空いた指でアルペジオを弾きながらハンマリングを手癖的に入れてみました。とりあえずテキトーにやっても一応こんな風に成り立つので便利なチューニングです。もちろん上手い方はもっと魅せ方が上手いし、テクニック面でももっと細かい音符を入れてきたりします。弾き手次第でいろんなアイディアがあります。
DAEAC#Eで作曲してみる
FACGCEのときと同様に、実際に簡単なものを1曲作ってみました。出来てみたらひたすらポップで元気のいい感じになってしまいましたがこれも例の一つということで…。一応上の方で出たようなバンドのスタイルを意識したつもりです。作曲工程は上記の記事で別にまとめているのでよかったら曲と合わせて見てみて下さい。
まとめ
ということでFACGCEに続きDAEAC#Eチューニングを試してみた記事でした。やっぱり引き出しが少ないとワンパターンになりがちですが、そこを工夫してみるのがおもしろいです。他にもまだまだエモやマスロック系に向いているチューニングはたくさんあるのでまた時間が取れたら試してみます。
コメント
FACGCEやDAEAC#E以外のの変則チューニングの考察も見てみたいです
コメントありがとうございます!
他のチューニングも色々と試し中ですので、また曲を作りつつ検証していきたいと思います。