ジャンル別作曲のコツというか、個人的なメモです。毎度ですが理論については間違ったことを言ってるかも知れないので予めご了承ください。今回はエモという定義が曖昧すぎるジャンルの中でも、ミッドウエストエモとか、エモ・リバイバルと呼ばれるスタイルの曲について語ります。思ってたエモとちゃう!ってなる方がもしいたらこの機会に知っていただけると嬉しいです。
デモ曲
それっぽいアレンジを詰め込んだ短いものを1曲作ってみました。そもそもの技術とかアレンジ力とかツッコミどころ満載ですがお許しください。この曲を基に語っていきたいと思います。
チューニングについて
この手のジャンルのギターチューニングについて。レギュラーチューニングで作られた曲ももちろんありますが、オープンチューニングを利用した心地いいコード感が特徴になっているものが多いです。エモ系のジャンルで利用されるオープンチューニングの種類については以前まとめているのでそちらを参考にしてみてください。今回の曲は代表的な「FACGCE」を使ってみました。カポを1フレットにつけてキーはD♭ですが表記がややこしくなるのでCの体でいきます。
リフの作り方
イントロのリフを基にミッドウエストエモっぽいリフの作り方を考えてみます。色んな曲を聴いてみると、コード弾きの合間に細かいフレーズを混ぜてギター1本でも成立するキラキラしたリフが多い印象です。その際オープンチューニングを活かして開放弦へのプリング・ハンマリングを多用し、パッと聴いた感じ複雑そうなフレーズになっているという特徴があります。その辺を踏まえて作ってみたリフがイントロのものです。
コード進行自体は普通のロックやポップスで使われるものとあまり変わりはなく、なんでも使える気がします。今回は下降系の「Ⅳ-Ⅲm-Ⅱm-Ⅰ」という進行を基本にしました。分数になっていたりでちょっと表記は違いますがルート音はこの流れで下がっていきます。適度な明るさと同時にちょっと切ないイメージもある個人的に好きな進行です。一応FACGCEのチューニングを活かしたようなフォームで弾いてみたつもりです。そしてそのコードとコードの合間に細かい音符でフレーズを挟みます。
チューニングのおかげでどの弦の開放もキー的に使える音になっているので、割とテキトーにプリングを混ぜても大丈夫です。むしろ感覚優先で手癖っぽくやってみたほうが面白いフレーズになるかも知れません。
変拍子を使う
もう一つこの手のジャンルによくあるアレンジが変拍子です。5だったり7だったり11だったり、トリッキーな構成になっているパターンがよくあります。Aメロの部分に7拍子を入れてみました。7+4+4で一まとめです。アルペジオでフレーズを作っていくスタイルを意識してやってみました。今回はインストなので気になりませんがもしボーカルが入るならもう少し動きは大人しめにした方がいいでしょう。かっこいいバンドだと変拍子の違和感が気にならないくらいスムーズにフレーズを作ったりしていますが、このパターンはちょっと強引に入れすぎた感があります。ある意味悪い例です。
変拍子と言えば「マスロック」というジャンルで多用されます。複雑な構成とテクニカルな演奏が特徴のジャンルで、エモと密接に関わりがあります。というか最近はもうジャンル分けが曖昧なバンドもたくさんいてエモとマスロックは一緒に語られる場合が多いし、バンドごとに好きな方で呼べばいいと個人的には思います。「変拍子使ったらマスロック」という訳でもないし、あんまりエモっぽくないマスロックも存在するし…。脱線してすみません。
タッピング
これもよく使われるテクニックです。右手だけちょろっと入れる場合もあれば大胆に両手タッピングを入れることもあります。Bメロでのコード2つの進行に取り入れてみました。ひたすら3連符を繰り返すシンプルなフレーズです。これも正直どうかなって感じですがドラムのリズムも3連の小技で合わせてノリを作る意図がありました。ズレてますが。
テンポチェンジ
曲の後半にテンポを変えて印象もガラッと変えるのもありがちなアレンジではないでしょうか。落とすのも上げるのもアリですが今回は上げてみました。ちょっと切なめの進行を入れて、もう一回イントロのリフをやった後にテンポチェンジです。
BPM120から180で一気に60上がっています。疾走感を出して終わりまで駆け抜けたいイメージです。むしろこの後半の方がタッピングメインになってしまってますね。疾走感に関してはドラム頼りな部分もあります。若干突っ込んだノリを出せたらかっこいいです。
管楽器を入れる
これに関してはちょっとネタ要素です。この手のジャンルでやたら入る管楽器。僕もトランペットを入れてみました。ほんとただ入れただけでフレーズとか超やっつけですが、エモ好きな方は「エモあるある」として笑っていただけたら報われます。
多分こういうアレンジのルーツはAmerican Footballあたりかなと思います。その後アメフトに影響を受けたリバイバル系のバンドが真似しだした流れかと。でもほんとに、こういうキラキラギターと管楽器の音ってなぜかめちゃめちゃ合う気がします。みんなが入れたがるのもわかります。これからエモバンドをやりたい方は是非管楽器奏者をメンバーに加えてみてください。吹奏楽部の友達とか誘ってみたら意外と面白いバンドが出来そうな予感がします。
キメを使う
別にこのジャンルに限ったことではなくどんな音楽にも重要なアレンジ「キメ」ですが、エモっぽいキメっていうのがいくつかある気がします。この曲では最後の2分10秒くらいのあたりでやってみました。古くはThe Get Up Kidsとか、最近のバンドだとPRAWNあたりが使ってそうなキメです。この後同じコードで引っ張って盛り上がらせて終わります。あー、この感じねって思っていただけたら嬉しいです。
まとめ
ということでエモ系の楽曲によく使われるアレンジを曲にしてまとめてみました。せっかく作ったのでただ解説したかったっていうだけですが、何かの参考になれば幸いです。色々詰め込んだら正直これどうなん?っていう仕上がりになってしまいました。でも部分的に気に入ってたりもします。もちろんこういうパターンの知識よりセンスの方が重要だし僕はまだそっちが足りてないですががんばります。
コメント
とてもかっこいい曲ですね!
テンポチェンジで速くなるのも好みでアガります。そして、トランペットで思わず笑ってしまいました。
TAB譜含め、参考にさせていただきます。
気が向いたら、レギュラーチューニングでの曲解説もやってほしいです!
>せんと。さん
ありがとうございます!
https://inakaguitar.com/emo-tapping-original-01/
https://inakaguitar.com/ryoutetap/
↑これらはレギュラーチューニングでやっています。一応リフの解説もしていますのでよろしければ!
すでに解説されていたんですね!参考にさせていただきます。
タッピングは苦手意識があるので、これを機会練習してみます!
他の記事も拝見させていただきますね。